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隠れ屋 [今日のメシ]

夕方で終わるかと思った仕事が,雑用に追われて結局家に戻ったのは9時.
今週末は私も同居人もフルに仕事なので,
息子達は昨日の夜から,おばあちゃんに連れられて同居人の実家へ
同居人も晩ご飯まだと言うし,二人っきりだし,外食にしましょうかと出かけてきました.
本当は夕方終わっていればシェ・ヌーにしようかと思ってたんですが,この時間(9時)ではねぇ.
で,前々から気になっていた,”隠れ屋”という居酒屋へ行ってみました.
場所は内緒.だって”隠れ屋”ですから.海岸通りとだけ.

小体ながら風情のある入り口のよこに品書きが.
一通り眺めると,魚ものと,鶏に力を入れている家のようです.
木の引き戸をあけると,目の前には年期の入った階段が.
左手を見やると,5人掛けのカウンタで,その奥が厨房.
お店の建物自体がかなり限られた広さなのですが,上手に空間を使っています.
なるほど,普通の居酒屋みたいな,大勢の人が押し寄せてわいわいする店ではなく,
ごくごく少数で,こっそりやってくるのが似合う佇まいです.ふむふむ隠れ屋か.

とりあえずはクラシックラガーの中瓶でノドを潤します.ぷはぁ
では,あらためてじっくりと品書きを見ると,
うむうむ.酒飲みが好きそうなメニューをよくご存じで(^^)
まずはお造りから行きましょうか.そろそろ旬に入ってくるヒラメと,旬も名残の鰹
2品盛り合わせてもらいました.
ビールから日本酒に行こうか.まずは飛露喜にしましょう.
脂ののった戻り鰹ではありますが,背のほうなので,決してくどくなく,
むしろ初夏の鰹のような爽やかな旨さが広がります.
ヒラメはまだ脂がそれほどのってきていない時期だけに,まだ白く透き通っています.
これまた白身の淡泊な旨みが鼻に抜けていく旨さ.
さて,飛露喜は総論的にいえば,コクのあるフルボディの日本酒だと思います.
今日呑んだのは純米吟醸ですが,実に濃厚な旨みがある.

 数年前,友人への結婚祝いのお返し(^^)で,
 ”この日本酒,私たちが造った米で仕込んだんだよ~”と
 手作純米無濾過生原酒というのを戴いて呑んだのが飛露喜との初めての出会いですが,
 あまりの旨さにぶっ飛んだ.
(すっかり,ご無沙汰をしておりますが,お元気ですか>Mさん,Cさんご夫妻)
飛露喜は蔵主で杜氏の若き廣木さんが,鋭意努力で挑戦なさっていて
泉川ともども,年々その味に幅が広がっていますが
願わくば,あまりすっきり系に傾いたりバリエーションを広げたりせず,
これからも初心を貫き続けていって欲しいものです.

で,こなた呑むだけの酔っぱらいの方はというと,
コクのある日本酒と,あっさりした鮃でバランスはどうなのか?とか,ちまちましたことを,
これでも実は結構頭の中でこねくり回しながら呑んでるんですが(大して効能はない)
酔ってくると回転数が落ちてきて,そのうち停止するので
最終的には,まぁご飯に合う物はみんな酒に合う,と思うことにしてます(笑)
原料は一緒!

さて続いて登場はきく酢.菊ではなくて鱈キク(白子)の方です.
この新鮮なきくの濃厚な味わいは,一度食べたらやみつきです.濃厚なのですが飽きない.
私は生まれた土地柄,物心つく前から庶民的に冬はず~っと毎年食べてますが未だ飽きない.
料理屋でも,市場でも,見かけた瞬間条件反射的に”きく,ください!”と言ってしまう.
ちなみにローカルネタですが,青森方面では,このきくのことをタツと言います.
キクとかタツとか,なんかに効く感じがしますね(^^;
ちなみに古来医食同源の漢方では,体の弱い部分の食材を食せともいいます.(しつこいか^^)
さっと湯通しして,紅葉おろしと一緒にポン酢でいただくのが定番.うまいうまい
また,回転の落ちた頭でちまちましたことをいうと,飛露喜との相性はばっちり

続いて登場は,同居人所望の”揚げ出汁豆腐”
居酒屋の定番メニューですが,上手下手がはっきりと現れる料理でもあります.
ここのは衣の付け方といい,出汁の塩梅といい,体が癒される味という感じでしょうか.
お酒呑んでると,こういう料理がとても身に沁みる.

お酒を切り替えて”日高見”にします.ひだかみと呼ぶ方が多いですが,”ひたかみ”です.
同じ事例で浦霞はうらがすみではなく”うらかすみ”です.
酒に濁りは御法度なのか(独自説^^;)んなこと言ったら田酒はてんしゅになっちゃうが(笑)
さぁ,戯言が全壊になってきました.もとい,全開です.まったくAtoKまで酔ってるし.

そろそろ焼き物かな,と言うことで,皮・砂肝・レバー各2本ずつ焼いてもらいました.
焼き台にアルペンザルツが見える.我が家でも最近お気に入りで使ってますが
近頃至る所で見かけます.梅蕎麦にもあった.
さらさらして使いやすいし,旨みもあるし.この岩塩で焼くと確かに味わいが増長します.
我が家では海塩も使ってまして,汁物系や魚系なんかは海塩使用なんですが,
魚の下ごしらえなどで等分に振りかけるときなどのために,
一度フライパンでサラサラにしておかないと使いづらいのがネックですね.

焼鳥はどれも旨み全開で,特にレバーが旨かった.レバーだけタレにしてもらったんですが,
ものすごく肉の旨みがあり,しかもパテのように柔らかく,口の中で解けてゆくようでした.
うまい美味い.
さて,そろそろ〆にしようかと思って黒ビール呑んでたんですが,
隣に座られたお客さんにご主人が,キク焼きますか?と尋ねていたのをきいて
”こっちもください!”と思いっきり叫んでしまった(恥^^;)
ほのかに焼いた白子は,生とはまた違う濃厚な旨みを生ずる.
勿論上手に焼かないとだめです.焼きすぎるとぼそぼそになる.ウチのおふくろは上手かった.
隠れ屋でも,ご主人がつきっきりで,火加減を見てる.
案の定,絶妙の火の入り具合でした.
莫久来をつまみに頼んでたんですが,ちょっと発酵が進みすぎたみたいで酸味が強かったんです.
で,どうしようかなぁと思ってたんですが,これをきくに載っけてみたら意外に絶妙のマッチング
ほどよく熱が入って美味いうまい.元発想は,近頃流行のじゃがバター塩辛ですが^^.

そんなこんなで,同居人と2人で行って9千円.
飲み代と品数を考えれば,まずまずお得な夫婦デートでした.
少なくとも休日出勤の疲れは吹っ飛びましたね.

今度は同居人にはお忍びで1人ひっそり来よう.柚庵焼きとか,手羽と大根の煮物とか
魅力的な品がまだまだあるんだよな~これが(笑)


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