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仙台夏の陣 純米燗酒の会2010 [今日のメシ]

もう1本,こちらもいい加減書かないと怒られちゃうんで(笑)

その青森最終日,朝5時前に起床して,
仙台へと,一路ぶ~んと車を飛ばし,どうにか一番町へ到着したのは午前10時頃.

早起きしたのにはワケがあり.
今年もまた,池田酒店さん主催の燗酒の会が開催されたのでした.
今年のテーマは東西二つの”鶴”
わが宮城県の”萩の鶴”さんと,はるばる広島から”竹鶴”さん.
性格がほぼ全く正反対と言って良い(いや,お酒の性格・・・ね^^)この両者を,
県内の生産者が手塩に掛けた食材で,これまた腕利きの料理人達が仕立てたお料理とともに
そのマリアージュを楽しんじゃいましょう!という鳥肌ものの企画.

そりゃもう,早起きくらい,5時間の連続運転くらい,なんてこと有りませんがな~

奥でマイクを握って微笑んでいらっしゃるのが池田さん.池田酒店三代目.
見ての通りの,笑顔が素敵なイケメンさんです.

良質のお酒を醸す酒蔵さん,汗を流して良いものを創り出そうとする生産者さん,
美味しいお酒を提供してお客さんの笑顔を見たいと願う料理人さんやお店やさん,
そして旨い酒が呑みた~い,と心底願う呑べ~さん.
そういった人達の,中継点であり,指南役であり,そして応援団長.DSC_4608.JPG

個人的には,髪を伸ばしたら,絶対にCharになるハズだと確信している.
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・・・さて,それは置いておいて.

まずは,美味しいお酒とお料理の前には,お勉強.
萩の鶴からは,萩野酒造の跡取り息子.杜氏の佐藤曜平さん.
またの名を”純米の貴公子”
アラサーにして,自分の想うお酒実現に挑戦し,”日輪田”というブランドを立ち上げている.
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対する竹鶴酒造からは,竹鶴敏夫専務.
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見るからに理系,話すからに理系という,同じ香りを感じてしまう.
故に,にくめない.
何を言われようと憎めない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ということで.
曜平さんもそうなんだけれど,敏夫専務もまた,思想がぶれない.
要するに,自分が美味いと思う酒.それを作ることが酒造という生業に関わっている目的である.
決して生まれた家が酒蔵だったから,という理由ではなく.

彼の酒蔵がつくる,”竹鶴”というお酒.小笹屋というシリーズ.
私はとても好きなんですよ.
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(別に由利徹でも無ければ,お座敷芸をしてるワケでもないですよ.きちんとお酒について語っている場面です. たしか^^;)

竹鶴酒造のお酒の大部分は,ある意味,好みがとても分かれるお酒ですよね.
特に小笹屋竹鶴と,その生もと純米はそういう傾向にある.

敏夫専務が,講演の中で,雑味って何か判りますか?という質問を投げかけていましたが,
私は自分なりに,1つの回答を持っています.
雑味というのは飛び出した杭なんです.
味覚というのはバランスの上に成り立っています.
味を分割すると,その基本には大きく,甘味,酸味,塩味,苦味,旨味と5種類有りますが
舌の上には,確か場所によってそれぞれの味を感じるエリアが偏在していて,
複数の味を同時に感じているはずです.それを脳が融合して1つの味として認識する.
それらのバランスが少し崩れたときに,どれかが突出した時に,
人はそれを"雑味”として感じるのではないかと考えています.
ですから,もちろん苦みや酸味といった,人間の感覚に対して強めの基本味が
突出しやすいがために,雑味となりうる可能性は高いのかもしれませんが,
甘味や旨味だって,バランスが崩れれば,雑味となる可能性は充分にあるだろうと思います.
実際,食事をしていて,それを感じることが時折あります.

さて,竹鶴は日本酒としては,ある意味孤高のポジションにあるわけですが,
そして,良く言われるのは酸が立ちすぎるという表現ですが,
私が凄いなぁと思うのは,絶対に味のバランスは崩れていないところなんですよね.
だから,これは美味いと思って呑めるし,料理とも合う.
そうそう.料理と合わせる上で,酸味を多く持っているというのは,とても有効なのではないかと思います.
お酒にとって,大きなアドバンテージになるのではなかろうかと.
某店のカウンタで,ぼ~っと小笹屋を呑みながら時折思っています.
(黙って呑んでいるときは,大概そんなことばっかり考えてます.又は直前に道ですれ違ったおねぇ~ちゃんのことか^^;)
ただ,先述のように酸味はバランスを崩しやすい.ちょっとヘタすると酒としての存在価値が崩壊する.
だから,造る方としては慎重にならざるを得ないのだろうと思うところですが,
まぁ,見事に大胆不敵に酸を立たせて,それでいてよくもまぁバランスが崩壊しないと.
それが,私の考える竹鶴という酒のイメージです.

別に上の写真に酸味一体が写っているから,そう書いたワケじゃないですよ(爆)

さぁ,素晴らしき宴会タイムの幕開けです.イッツァ・ショータイム!
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■1品目
GABUさんのお料理です.
この日GABUさんは所用がおありとのことで,先頭バッターを担いました.
かぐや姫という宮城県発祥のお米をつかったリゾット.バルサミコが良い味だしています.これぞ味のバランス.
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最初のお酒は,萩野酒造から”日輪田山廃純米”
時間の関係でリゾットが冷めていることを踏まえ,常温での提供.
曜平さんの人柄(は,まだあまり良く知らないので,優しそうな見た目)がそのままお酒になった様な.
このお酒好きですね.
常温よりも,すこしぬるめの燗の方が,やはり合うんじゃないかと思い,ワガママ言ってぬる燗追加オーダ.ばっちりである.

■2品目
パプリカの彩々豆腐(写真右下)
去年は”天界のろばた”として出品提供された彩菜豆腐.今年は系列店の”百人屋台国分屋”からのご提供
田口義文さん作です.
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もう1皿(写真中央)の方は,しんさんのご提供(わくわく).
涌谷町の氏家農場さんの小葱を煮浸しにし,竹鶏ファームさんの温泉卵
(あ,余談ですが先日しんさんで,やっとTKG食べられました!)
そして,鶏味噌は蔵王グリーンアトリエさんのハーブがまたいい後味を生み出しているのよさ.
小葱の根っこ,うま~い.
卵に竹鶴は相性Gooなのですよ.ということで,合わせるお酒は”竹鶴純米”
まずは,無難なところからジャブ(笑)
あ~小葱は,竹鶴ならニラをつかっても相性良いかも.モロヘイヤでもいいなぁ.

■3品目
東二番丁通り(ホテルコムズ仙台アネックス地下)にある”HONA”から安藤浩樹さんのお料理.

”仙台野菜の冷し鉢”
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以前仙台駅前方面に事務所が有ったころ,何度かランチタイムに入り口までは行ってたんですよね.
仙台で昼飯にお好み焼きをおかずにご飯を食べられるところは,そうそう無いんで,へぇ~と思って.
そんな訳で,てっきりお好み焼き専門店かと思っていたのですが,夜は創作料理もされているんですって.
それは是非とも行ってみないと.今や拝啓、帰り道の上から、だし(笑)

個々の野菜の持ち味,旨さが上手に引き出されていて,美味いひと皿でした.
ということは出汁の具合も良好ということで,実力高し!です.
こういうひと皿が一番難しいですからね.しかも食材の質がすごく高いだけに.
盛りつけも良いですね.飾り包丁がさえております
しんさんで野菜料理を戴いた経験が無かったら,これにクラっとなびいてしまったかも(笑)

お酒は”萩の鶴”中取の純吟.最初に載せた曜平さんの写真でお持ちになっている瓶です.
ところで,この頃になると,うちらの前には,なぜだか特大徳利が支給されるようになる.しかも2本ずつ(笑)
飛び切りの笑顔で運んでくる教祖さまのシワザか,
はたまた,その後ろに澄ました正座姿で,さりげなくこちらを伺う杜氏様のサシガネか(キラリっ)!?
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う~今日の記事も長いぞ~ヒック
(注:お酒の記事をシラフじゃとても書いておれんので,だいぶ竹鶴が体内を廻ってまいりました^^;)
写真見ているだけで呑みたくなってくるもんねぇ・・・

■4品目
新生漢方牛(いつも東北道を北上すると,県北で道沿いに看板が見えるのですが)を使ったラグー
付け合わせの野菜の絶品な美味さといい,これぞ職人のワザというヤツなのでしょうね.
ここまでの3品が,食材の持つ味をいかに最大限に引き出すか,という着目点であったとするならば,
この料理は,食材の持つ味をいかに最大限に増長させるか,という着目点.
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調理は蔵王アトリエデリスの佐々木シェフ.
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話術も巧みなのですが,それよりも幸せが向こうから飛び込んできそうな風貌と笑顔ですね.
こういう方の作ったものなら,絶対美味い!と確信できますよ.
お店の方にも是非,買いに行きたいと思いましてね.

ラグーに話を戻すと,ニンニクのクリームソースがツボでした.
多賀城の吉田屋で出てくるニンニクソースの上をいくソース!(吉田屋のも充分美味いが)

ということで,これぞ竹鶴の真骨頂発揮.小笹屋竹鶴の生もと純米.
真打ち登場です.これはもう,この組み合わせが鉄板だと思いますよ.
他に思いつくといったら,旭菊の6BYか,秋鹿山廃か・・はたまた,ひこ孫を持ってくるか,くらいしか思いつかない.
まぁナニゲに,きりっと熱くツけたどぶでも良いかもしれんが(やば,結構思いついてしまった^^;)
でもたぶん,それらの中でも,小笹屋がベターでしょうね.と,私は思ってしまうのであった.

(ここで,晩酌を小笹屋に切り替えたくなったので,ちょっと休憩)

では続き.

■5品目
またまた,しんさん登場.

ホヤの冷やし汁と,かぐや姫の焼おにぎりに,キューリ歩人こと”大庭知子さん”が生産された白石胡瓜
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しんさん.美味かったです.以上!
(すいません,色々と食べ方をご指示いただきましたが・・・既におぼえておりません)

以前,しんさんで戴いた,”蒸しホヤが蟹の味~”というのが有ったのですが,
それを汁物に応用したような感じ.
で,どうしても濃厚に味が強くなりすぎるところを
あえて冷や汁という形で氷も入れてぎんぎんに冷やして抑えめにしている.
入れられたセルバチコ(野生種に近いルッコラです)の胡麻風味な香りも絶妙です.
普通のルッコラよりも,さらに香りが強いので,この汁にも負けてないんですね.
で(恐らくしんさんの食べ方解説に有ったんだと思いますが),このかぐや姫のおにぎりを,汁にいれて食べたら,
汁ごとすすり込む,デラうまさだったのでした.
なお,白石胡瓜は,恥ずかしながら説明を聞く前に,旨いうまいと,ぽりぽり食べてしまったもので^^;
この胡瓜は,別名”かっぱ星人”と呼ばれている,うちの下の息子が食べ始めたら,おそらく止まらなくなるんだろうなぁ.

お酒は竹鶴の酸味一体にごり
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これも竹鶴というお酒の存在価値を示してくれる一本ですね.
あ,これをさっきのラグーと合わせるという手もあるか,と思ったりして.
何なら,上澄みだけVerも準備しておいて,にごりと比較しても面白かったかも,と思ったりして.

■6品目
ということで,お米に始まり,再びお米に戻ってきたところで,最後はシメのデザート
”ビックスター鳴子味庵”の大沢英里子さん作
”蔵王ハーブミントのパンナコッタ 岩出山トマトのレモンシロップ漬け添え”です
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うつくしい.うつくしい
実に美しい.

作った方もうつくしい
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笑顔がとても素敵な,パティシエ野菜ソムリエさんです.

これは,蔵王に引き続き,鳴子にも早々に行かんといけん(笑)

・・・話しを戻しましょう(なんか今日は,話しが逸れるなぁ)
白ワインのジュレと,ミントの葉っぱが良いアクセントです.
ここまで,自分に気合いが入っていたことに気付き,ふ~と力が抜けた感じが心地良かったです.

合わせるお酒は,なんじゃろなぁ~というところでした.
去年は確か最後は涼のソーダ割だったんですよね.
小森谷さんならではの,変化球といった感じだったんですが.

今年はと言うと,また凄いのが・・・出てきちゃって(笑)
萩の鶴 雄町の8BYですって.
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よく,こんな凄い組み合わせ思いつきますよね.
ともさんの個人的コレクションからご出展でしょうか(笑)?
思い出しましたよ.確かこれを加えて作ったレバーペースト,
以前,カウンタでこっそりと味見させてもらったっけ(爆)

この日のお酒一覧.一列に並ぶ鶴たち
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料理人の皆様,お疲れさまでした.そして生産者の方々,素晴らしい食材をありがとうございます.
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生産者の方々とのご縁をつないでくださっている方がこちら.
宮城県食産業振興課の山田さん
(同姓だというのに,私と違い,宮城の生産者に絶大な信頼をおかれている凄い人なのです)
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そしてもちろん,今回の双頭の鶴
これからも未来の日本酒を背負っていくであろう,二つの背中にも拍手
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今回も素晴らしい食材・お料理・お酒,堪能した5時間でした.

・・・で,この後,ここ↓一心加減燗で二次会も有ったりするんですが,
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アタシゃ,早起きの疲れがどっときたのか,殆ど思考止まってまして(笑)
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途中から,カラダの方も,ほとんど止まっていたので,
なんか,ボーっとカウンターに座りっぱなし状態でした(^^;)
ホントは,もっともっと生産者の方々ともお話したかったんですけれどね~

例のごとく,二次会もまた素敵なお料理が.
ここからは加減燗の腕のみせどころ!
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↑薩摩揚げ.これ美味いんですよ~

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この日がお誕生日な敏夫専務には,宮城の祝い魚 吉次焼が
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そして,実はニアお誕生日な方々も,たくさんいらっしゃいまして.
とてもとても,めでたい二次会となったのでした.
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おすそわけ,もらっちゃいました(笑)
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思ったこと.
生産者の方々,料理人の方々,みんな元気でパワフルです.
この元気やエネルギィを,食材や料理やお酒を通して,戴いているんだなぁと.

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カウンタでうとうとしながら,そんなことを考えておりました.


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ikesake

yamadaさま

素晴らしいレポ、感激ですぅ・・・ (感涙)
来年も、更にパワーアップ出来る様、頑張ります!

Charさん似!?
『山本太郎』とか『鼻から下がショーケン』とか言われた事はありますが。。。
^^;
今後とも宜しくお願い致します♪


by ikesake (2010-09-06 03:07) 

Yamada

池田さま
お疲れさまです.
改めて,愉しく素晴らしい会をありがとうございました.
撮った写真を見返しつつ,再度そう思いました.
来年も楽しみにしております.

確か,この会の時に池田さんからお伺いしたんでしたっけ?
国分町に,間もなく新しくオープンする,
どぶを置くお店が有るんですよって.
このところ,池田さんのblog,takakoさんのblogと,
続々報告が聞こえ伝わってきて,
今,行きたい気,満々なのです(笑)

追伸:Charの件,失礼しました(笑)
山本太郎は・・・ちょっと思います(←またまた失礼!)
by Yamada (2010-09-06 07:36) 

itacha

曜平ちゃん・・・シラフだとコケシみたいだな。。。
敏夫ちゃん・・・会場でくつろぎ過ぎじゃねぇ~?

パテェシエ・・・ このショット可愛すぎだな。。。
by itacha (2010-09-07 12:52) 

しん

yamadaさま

いつもありがとうございますm(__)m

例の『あなご。。』美味しく出来上がりました(^~^)

また、お時間が許すときのご来店をお待ちしておりますm(__)m
by しん (2010-09-16 18:28) 

Yamada

しんさん,
こちらこそいつもありがとうございます.
あなご...食べたいです~
といいつつ,ご案内いただいて半月以上過ぎてしまいました
(すごい久々に自分のblogのぞきました・・・爆)
季節が変わっちゃいますね.

先週も下北・酒田・米沢と
一週間で確実に2千キロ以上,東北を飛び回っております.
(特に下北・佐井村は車で片道7時間.ドライブ好きでよかった・・・)
もうしばらく,こんな日々が続きそうな感じ.
落ち着いたら,北仙台へ飛んでいきま~す

by Yamada (2010-10-11 11:01) 

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