WCIA(西海岸放浪その2) [旅日記]
浪岡ICで東北道を降り,そのまま津軽自動車道へ.
五所川原市街地の手前の松野木までは既に開通している.
この先は現在建設中で,おいおい五所川原ICまで開通(確か今年度中だったかね)
そして,いずれは101号の高規格幹線道路として鰺ヶ沢まで通じる予定.
余談ながら今建設している区間では2橋ほどウチの設計した橋梁があり,
1つは大して面白味がないが,もう1つはナカナカ斬新な構造となっている
(もっとも外見にハデなわけではないので,なにが斬新か普通は気づくまい^^)
ともあれ,まだ開通していない今のところは,東ICから五所川原の街中を抜け,
とぼとぼと鰺ヶ沢までの下ミチを進んでいくことになる.
途中五所川原のWonderGOOで買い込んだ徳永英明Vocalist1~3を聴き,
妙にセンチメンタルな気分を抱きつつ.
WCIA:West Coast In Aomori 青森県西海岸
昼のうち,積雪量はそれほどでもないが,とにかく風がものすごい.
この地にはロシアからの風が吹く.
いや,決して降雪量は少ないわけではないのだ・・・ということに気づく.
要するに,雪が地面に降りおりた瞬間,強風に吹き上げられてしまうために
降れども降れども積もらないだけなのだ.それが地吹雪.
鰺ヶ沢の海浜文化施設駐車場で見かけた看板.
”前向き駐車勧めます.”
冗談やシャレじゃなく,本当にここでは車を駐める向きを間違えると命取りとなる.
実際,この先の深浦にある道の駅では,うっかり海に背を向けて駐めたばかりに
開けた瞬間,危うくドアと一緒に引きずり出されるところだった.
隣に車が駐まっていたらドアが激突していた(以前会社の同僚がやった),
これが道路であったとして,後ろから車やバイクが来たらOUTである.
勿論下半身に力を入れないと,まっすぐ立って歩く事なんて出来ない.
目の前の木々もポールも,街灯ポールや,信号機さえ,風で大揺れし続けている.
慣れないヨソ者の眼には,これはちょっと恐ろしい光景である,
が,これがかの地における冬の日常なのである.
悲しみ本線日本海.
往年のヤクザ映画のオープニング.ここでは一日中見ることが出来る,当たり前の光景.
そして過酷な自然に曝された地であってもまた,ここにも人の営みが脈々と根ざしている.
冬の日本海.激しく,悲しくもまた,それは実に美しくもある光景.
一日中曇り空,雪雲にくるまれた,そのさなか
ナゼか,ほんの一瞬だけソラの切れ目から覗いた日本海の夕陽光.
そしてまた,しばしの後,いつもの薄暗い曇り空へと戻る.
空に何かが飛んでいる.雪?いや違いますね.
これは,冬の日本海名物"波の華”
激しい勢いでたたきつけられた波が泡になって,空を舞い飛んでいくのです.
春夏秋冬を通して,日本有数の絶景路線である五能線.
冬もまた優美な客車が走りすぎる・・・がヤケに速度が遅い.
遊覧走行?
いや.違うようです.
線路の脇をちらりと見たら,緊急停止信号に”越波”と書いてありました.
そう.線路は道路と海との間,道路よりも1段低いところにある.
道路まで波が飛んでくるということは,当然線路は思い切り波をかぶる.
スピードを調整しながら走っているのは,
どうやら上手く波とのタイミングを図りながら走行しているものらしい.
考えてみれば,凄いことである.乗っている方もさぞかし迫力だろう.
当然だけれど,非電化区間.
* * *
冬の一日.あっという間に陽が暮れる.
ひとたび暮れると路面温度は瞬く間に氷点下となりアイスバーン.
その上に激しく落ちてくる雪が,降っては吹き飛ばされ,また降っては吹き飛ばされ.
横風に車が押され,黙っていても横方向にスリップする.
今日の予定を終え,急いで宿へ到着しなくては.
ということで,この日の宿は,西海岸の突端部.艫作にある”ウェスパ椿山”
丁度,黄金崎の不老ふ死や,世界一大水車のみちのく温泉とご近所のあたり.
深浦町の第三セクターの経営する宿です.
これがナカナカ大当たり.詳しくは次回につづく・・・
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