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胆沢ダム見学 [ガテン系]

バスにのって”しゃかいけんがく”です^^;
小学生気分だなぁ

PB180508.JPG
ここは岩手県.奥州市胆沢区(・・・で良いんだっけ?).
たぶん,少なくとも東北では最後の大型直轄ダムになるであろう
”胆沢ダム”の工事現場です.
この週末,乗り物好きの息子達を連れてやって来ました.

すごいよねぇ.山と山の間,平野がぜ~んぶ工事現場.
左の中ほどに観光バスが1台居るのが判りますか?規模がこれで判るというもの.
小学校の社会見学なら,お弁当にリュックに水筒ですが,
みんなヘルメットというのがご愛敬(笑)
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さて,胆沢ダムはロックフィルダムという形式のダムです.
手っ取り早く言うと,石を積んでダムを造るんです.
石だけだと,水が漏れてしまって貯まらない.
だから,真ん中に水を通さない粘土質の土をもって遮水する.これをコアと云います.
で,その両側を,コアが安定して水圧にも倒れないように,多量の石を積んで抑える.
それを1m位ずつ,徐々に,徐々に造っていきます.
丁度胆沢ダムでは今,30mほど盛り上がったところ.最終的には130m位まで盛るそうで.
下の写真.真ん中あたりの畝の様な土の部分.これが水を遮るコアの粘土部分.
その前後に石を配置します.
PB180529.JPG
PB180507.JPG
下は,それを断面で見た写真.
ダムがすりつく横の山の部分ですが,左寄りの切り込みが深い急激な勾配の台形部分,
これがコアの粘土部分が盛り上がる形状です.
その直背後にはフィルター材といって,粘土が流れ出ないような砕石を配します.
そして,緩い勾配でクレーンの方まで広がっていくコンクリート色の部分
これがロック材(石)を積む部分です.でかい!
PB180523.JPG

このクレーンもまた.さりげなく存置されてますが,ナカナカ凄いクレーンです.
右側の白と朱色のクレーン(機械式クローラクレーンと云います)は何と300t仕様
左側のちょいと小柄な白と青のクレーン(こちらはトラッククレーンです)でも200t
このサイズには滅多にお目にかかれません.
PB180527.JPG
そんなワケで,ダム現場はものすごい建設機械の一大テーマパーク状態!
胆沢ダムは24時間工事なので,こんな↓機械.照明車です.
ここで使われている照明は,虫が寄ってこないようなランプを使っているそうです.
虫が寄ってくると,それをえさとする動物たちも集まってくる.
そうすると誤って工事車両がひいてしまうといけないから,というワケです.
PB180518.JPG
つづいてこちらは,何と90tダンプ.驚異的な大きさです.
昔カタログで見たことはありますが,現物は私も初めてです.
2PB180538.jpg
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ちなみにタイヤだけで2.7m.タイヤ1本あたりのお値段200万円!
6本タイヤがついているので,タイヤ代しめて1200万円(^^;)
本体価格については下記の通り(笑)
2PB180537.jpg
燃料タンクが,約1100リットルです.普通の車だと,タンク容量40~60リットル位ですね.
例えばリッタ10km走るとすれば千リットルで1万キロちょっと,ということになります.
保険のコマーシャル風にいけば,年間1万キロが料金の境目ですから,
約一年分?
さて問題です.アタックチャンス^^;
このトラック,給油のタイミングはどのくらいだと思いますか?



ちっちっちっちっ
はい.正解は”毎日”です(笑)
リッタ200mですって.う~ん何というか・・・
それはさておき,こちらは意外にも快適そうな運転席です.
2PB180543.jpg

こちらは,同じくキャタピラ社製のホイールローダという機械.
このバケットの大きさも驚異的です.
2PB180545.jpg
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ダムの現場は,とにかく何もかもがスケールがでかい.
まるで巨人の国に迷い込んだこびと状態.
こちらは原石山といって,積む石を取り出す山.
元々は標高630mの岩山でしたが,すでに標高が530m.100mほど低くなってしまったと.
1日あたり2回発破をかけて山を崩すということで,
丁度今日の夕方の発破のために信管仕掛けたり,の作業をしているところです.
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手前に見える赤い重機はバックホウという機械.いわゆるショベルカーです.
遠いので一見普通に見えますが・・・
PB180578.JPG
いやいや,どうして.
下写真,一緒にいる黄色い車.これがさっきの90tダンプです(笑)
このバックホウもまた,1バケット10t以上も掻き出せる超特大型.1台3億ナリ
2PB180583.jpg

これはダム工事現場と原石山とを直通する工事用道路.
幅員(道路幅)は約15mあります.
通常の道路では,等級にも寄りますが,1車線ほぼ3m前後.
つまり上下線対面だと6~7m.
ここはその倍以上あります.これも90tダンプがすれ違う必要があるから.
しかし道路勾配は最大約12%(100m進むと12m高低する)
これも通常の道路だとせいぜい数%から国道だと6%くらいですね.
我々の移動に乗ったバスもへーこらほ~でした.運転手さんご苦労様です.
私も以前,施工計画で,用地買収等の関係からやむにやまれず
工事用車両の搬路勾配15%という,オソロシイ線形を引いたことがありますが
図面に描くのと実際に登るのとでは大違い^^;設計は経験工学です.(コンドカラヤメヨウーー;)
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当然,ここも雪が降ると,とてもダンプは登り下り出来なくなるので,冬期は休止です.

そんなこんなの現場見学.

さて,我が家の息子達も.
これで少しは”働く”ということや”お仕事”について,ものを造るということについて,
んで,出来ればちょいと土木にも興味を持ってくれると良いのだが・・・
そう.ちょっとずつ,ちょっとずつですが,
でっかい重機にはしゃぐだけではなく,彼らにも何かは思うところがあったようです.
2PB180568.jpg

このダムが完成するのは平成25年.あと約7年です.
その頃,上の息子はもう高校生か.下も既に中学卒業間近だな.

いつか彼らが,カノジョや,はたまた奥さんや,
ひょっとして彼らの子供達を車に載せてここを通ることがあったなら.
昔,ここへ来たこと.でっかいダンプが岩を運んでたこと.
思い出してくれるといいなぁ.そして彼らの子供達へ自慢してくれるといいな.
俺は,このダムが造られているとき,実際にそれをここで見たんだぞ,ってね.
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それがお父さんとしてはサイコーに嬉しいかな.


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コメント 2

kobe

息子が、ヨダレを垂らしながら
工事車両を見ていました。
大人の社会見学としても充分楽しめたようですね。
by kobe (2006-11-21 13:14) 

Yamada

しょうご様,nice!&コメントありがとうございます
やはり生で見るのは全然違いますからね~
つくづく,土木ってのは規模が凄いです.
例の90tダンプの運転手さんでも女性のかたも数名いらしたりして
昔のように漢の世界,3Kというわけでもない,明るい昨今の工事現場です.
昔は工事見学っていうと,とにかく”安全”という言葉がキーワードでしたが
今回の見学で気づいたのは,すごく”環境”という言葉が
前面に打ち出されていたことですかね.
by Yamada (2006-11-24 07:58) 

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