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L-ZONE [まにあっくな逸品]

このあいだ,青森県立美術館の記事内で,
”L-Zone”の様に隅々冒険したくなる建築物,という言い回しをしたんですが,
一体全体,その"L-Zone”とは,なんぞや!?
まぁ,そういうハナシもありましてね.

パソコンにCDがくっついちゃって,トゥルーカラー表示というのが登場し,
(要するに,それまではフロッピーディスクと16色表示画面だったわけだ)
ぼちぼちCPUが32bitというのに切り替わり始めた頃.
マルチメディアとかインタラクティブとかいう言葉が妙に流行りまして.
そして,その流れから,また妙に美麗な3次元っぽいソフトウエアが乱立したんですよ.
ハイテク=綺麗な画面と綺麗な音,というシンプルな関係がまだ成立していた
華の90年代前半頃の,古きよき時代のおハナシです.

その先駆でもあり,筆頭でもあったのが"シナジー幾何学”というソフトハウスで,
庄野晴彦さんという方が,シナジーからプロデュースした一連のシリーズの中でも
かなり話題になったのが,この”L-Zone”というソフトだったわけです.

ジャンルは何と言えばいいのか.
当時の一連のマルチメディアソフトは,今の時代だと区分けが難しいですね.
BGVに近いのですが,自ら操作できるところが,インタラクティブたる所以です.
要するに近未来都市の中を,自由に探検して歩ける,というのが基本スタンス.
で,壁や操作卓や,画面の色んなところが,いじれるようになっていて,
音楽が鳴り出したり,ロボットアームを動かせたり,地下弾丸列車が走ったり,と
男の子ごころをくすぐるような仕掛けがてんこ盛りに盛り込まれている.
何よりも,(当時としては)画期的なくらい美麗なグラフィクスと,なかなかのセンス.
これぞ,まさに次世代のパソコン世紀到来,と(当時は)思わされたのも無理はなかったかと.
思えば小4のとき,生まれて初めて,アドベンチャーゲーム"ミステリーハウス”を
P6にROMRAMカードリッジ差し込んで,カセットをラジカセにセットして,
CLOAD RUNしたとき以来の,驚きと興奮があったように思われます.
それは,今まで知らなかった世界.
空想の中で思い浮かべ,紙に書いて遊ぶことはあっても,
あくまで”ごっこ”に過ぎなかった世界.
そりゃ勿論,パソコン上だって”ごっこ”には違いありません.
けれどそれは”仮想世界”という新たな名前のついた,超リアルな”ごっこ”
現実にあたかも自分がその中にいるかのような感覚で体験することができる.

当時この手のソフトはMacの独壇場だったんですけれどね.
それがTownsだとかDos/VだとかPC98なんかでも,
ぼちぼち,どうにかプレイ出来るようになってきたと.
まぁ,そんな時代の徒花だったのですな.くすっ.





Win/Mac/Pc98/TownsのハイブリッドCDROM(この言葉も懐かしいね)ですが
Windowsは3.1対応ということで,まぁ今のXPじゃ動くわけないかな,と
思いつつも,試みに一応CDを入れて,普通にXP上でクリックしてみたところ,イッパツ起動(笑)
Dos/Vのエミュに3.1を突っ込んで,その上で動かさんとアカんかな,と思っていただけに
これは何とも拍子抜けというか.

今,再プレィしてみても,なかなか斬新で面白いです.
何ら知的な謎解きがあるわけでも,スリリングな冒険があるわけでも
そして,シューティングの興奮が有るわけでもない,ごくごく静謐な世界を散歩するだけ.
私にとっては,単なる懐かしさ,と言ってしまえばそうなのかもしれませんが,
息子達にとっても,これはこれで新鮮に映ったようで,
”あそこもいけるんじゃない?””そこのボタンも多分押せるよ~”と,
オトコの子(?)3人で,妙に盛り上がってしまったのでした.
(当時私が気付かなかった別な部屋も発見!)


表現手段としてのコンピュータ,という使い方.
頭の中にある空想の世界を,あたかも現実のように作り出してしまうことの出来る道具.
それは今でこそ,特段に珍しいことでも無くなってしまいましたが,
急速にスペックが向上するにつれ,みんながその可能性を朧気ながら意識していた頃
その可能性を一般のパソコンユーザの目に見える形に作り上げてみせたこと.
その意義は,やはり大きかったのだろうと,今にしてあらためて思います.


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通りすがり

L-ZONEとはまた懐かしい。
あのころのマルチメディアCDはどれも面白いですね。
PINKGEARとかALICEとか・・・
by 通りすがり (2008-11-19 18:51) 

Yamada

イエローブリックロードあたりで,みんな ”あれっ!?”って
思い始めたんですけれどね(笑)>通りすがりさま

私はTOWNS使いだったもので,マルチメディアというと
サイキックディティクティブ・シリーズという
これまた伝説的なアドベンチャーゲームが思い浮かぶのですが,
(まぁ,マルチメディアといっても絵が動くというだけでしたが・・・^^;
 でもリアルタイムに圧縮動画ファイルをCDから読み込みながら
 デコード再生していたという,当時としてはナニゲに凄い技術を
 駆使していたんですね・・・今じゃ当たり前ですが)
あのゲームの場合は,ウリは確かにマルチメディア性でしたが,
でも,まずストーリィ自体が,非常によく練られていたことが,
何よりもTOWNSを代表するゲームになった理由だと思います.
結局は,これ以降の時代,単なる美麗さには目が肥えてしまった人々が
再び,中身重視の見方へと回帰していくという流れになったんですね.

シナジー幾何学がつぶれてしまったのも,スクウエアが大失敗したのも,
個人的には何だか,同じような臭いを感じてしまったりもするのです・・・笑

※そういえば,上記のサイキックディティクティブも含め,
 懐かし系のソフトネタって,結構あるなぁ.
 ちょっとシリーズ化してみよっかなぁ~とか思ったりして・・・
by Yamada (2008-11-20 22:05) 

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