お家へかえろう・・・

時折，顧客から絵を描いてみてくれ，と言われることがある．
要するに，図面じゃイメージがわかないのでパースを作ってくれ，と．
まぁ，打合せの過程で結構気軽に言われちゃうわけだけれど，
実際の所，プロのパース屋に頼んじゃうと，絵１枚といえども，それ相応に何万もかかるので，
通常は予算上，そんな余裕はない．
で，多くの場合，ちょっとしたイメージ把握用・プレゼン用くらいなら，
仕事の合間を見て（要するに残業時間や週末などで）自前で作ってしまうことになる．
別に専門の教育を受けた訳じゃないけれど，パソコンの性能も上がっている昨今
Ａ３程度の大きさで，それなりの見栄えがすればよいパースや
ちょいとＰＰＴに埋め込む程度のＣＧ動画やアニメーションくらいなら
素人でも，大した苦労もなく作れちゃう時代なのである．
もちろん，大々的なプレゼン用だとか，対一般市民のＰＩ広報用などは
さすがに，怖れおおいので，粛々と予算を割いて，（半分くらいは（＾＾；）プロに頼む

(Shade Pro7.5+人の森,クルマの森+Adobe PhotoshopCS2)

上は，先日，とある客先から頼まれて書いた完成予想ＣＧパース．
橋面の防護柵デザインや照明配置構成の具合を確認するだけのものなので，
配置間隔や幅員・高さなどは正確に図面を追って描いているものの，
絵としては実にシンプルなのである．（だから自分で作っているワケだ）
これは対担当者だけのモノであって，別に公的に公開する目的のパースでもないし，
言わなければ，どこの橋かは判らないと思うので，紹介がてら，載っけてみた．

ところで余談ですが，自前でパースを作るときには，業務上支障のない範囲で，
ちょいと遊び心を入れたりしている．
先日，某橋梁のパースを作ったときには，バルコニーにいる子供の洋服の柄を
さりげなく息子達の名前の英語読みでＬＯＧＯをデザインして入れ込んでみた．
その前に作った，某現在工事中の橋梁の現場に掲げられた完成予想図では
何故かウチの家族が橋の上を歩いている人々の中に，仲良く紛れている．
（当然，言われなければ判らないように描いていますけど＾＾）

で，このパースの場合の遊びは，”夕暮れ”である．
普通，橋のパースで夕暮れとか夜というのは，まず無い（はず）
概ね天気の良い青空の下に堂々とそびえ立つ橋と，
その上を愉快に走る車たちが描かれることが多い，ので
あえて，夕暮れをイメージして作ってみた．
何か言われたら直そうと思って，一応青空版の背景も作っておいたけれど，
結局先方からは何も言われなかったので，そのまま採用（＾＾）

でも，描いてみて，おっ，意外と夕暮れも良いじゃん，と思った．
特に照明の具合が良く判って，これはこれで説得力がある（と勝手に思っている）
何より，暖かいお家が待ってそうな気がしてくるのが，季節柄いいなぁと思うのは
単なる自画自賛なのだろうか（そのとおり（笑））
川の周囲には，学校や病院，福祉施設などもあるのだけれど，
この橋ができれば，確実にお家への時間が短くなる人は増えることになる．

この絵のミソは，車道と歩道との間の防護柵であって，
通常，この規模の橋では，あまり歩車道境界に防護柵を設置することは少なかったのだけれど
クルマの利便性だけを追求するのではなくて，
歩行者も安全に利用できる橋，という観点を主眼に，あえてここへの設置を提案させてもらった．
じゃあ，と，それを受けての設置イメージパースということになる．
それで暖かさや，その先にある通行者の”家庭”の存在を，
さりげなく絵の中に込めたい，という想いがあった．

ところで，最初は橋と背景だけを描いて，
あとから上記の想いを強調したくて，車とか人とかのScenaryを追加で描き込んだもので
小学生が異様に小さい．自転車の車輪よりも小さい，ということに今更気付いた（＞＜）
設計上，歩道外側の柵（高欄）の高さは路面より１．１ｍ，
車道との境界の柵（車両用防護柵）も路面から１．０ｍで設計されているので，
小学生であれば，少なくともこの柵と同じくらいか，それ以上タッパがないとおかしい．
更には，歩車道境界防護柵の３本ある横桟の間隔は，
もともと，乳幼児の頭が通らないような幅として配慮されて決定されている，のだが，
でも，これだと，頭が通っちゃう小学生がいることになるなぁ・・・
・・・が，まぁいっか（ーー；

まず，そのあたりが，素人の素人たる所以なのである．

コメント 2

フェイリン様
nice!ありがとうございます．
by Yamada (2007-12-31 17:30) 

nopia様，nice!ありがとうございます
by Yamada (2008-01-12 23:08)