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郡山ユラックス熱海 [旅日記]

只見川からはだいぶ離れますが,最後にもうひとつ入浴施設を.
磐梯熱海温泉の”郡山ユラックス熱海”
ここも出張帰りに,ちょいと汗を流して帰るのに良い温泉です.

ということで,以下はちょっとだらだらと文章が続きます・・^^
会津方面に私が出張するときというのは,大概なにやらの問題があって
ひとクセある状況に駆り出されることが多いので,
ここに入ってから帰れるということは,
無事トラブルシュート完了したということ.
あぁ~やれやれ,っていう力が抜けた状況なわけです.
そのためかもしれませんが,自分的に好印象な施設です.
施設自体は,竣工からだいぶ経ってるんですが,いい風呂ですよ.

思うんですが,スーパー銭湯に影響をうけてか,
最近新しくできる温泉地の日帰り入浴施設も,
ひところとは,ちょいと雰囲気が変わってきた様な気がしています.

何がといって,めったやたらと,風呂の種類が多いんですね.
寝湯・座り湯・ジェットバス・バイブロバス・マッサージバス
檜風呂・壺風呂・樽風呂・洞窟風呂・・・etc
そのうち逆立ち湯とか花瓶風呂なんてのまで出来るんではないでしょうか.
浴槽も何だか3つとか4つとかに区切って小さくしてしまっている.
そんで,見てくれだけはえら~く豪華な造りだったりするわけですが.

スーパ銭湯はね.まぁ都市部に建設される事情があって
スペース的にもそんなに大きくとれないから
コンパクトな中にも多くの人を収容できるような工夫が必要で,
なおかつ,それなりの料金をとるので,アミューズメントな方向性に進む
というのは,間違ってないと思いますよ.私もちょくちょく楽しみに行きますし.

ただね.
それを山間部の温泉地などで,同じ事をするのは,どうかな~と思うのですよ.
そもそも,あえて外のお風呂に入りに行く理由は何か.と考えると
結局行き着くところは,やはり
”思いっきりカラダを延ばして,脚を伸ばして入れること”
に尽きるんじゃないかと,私は思うんですね.
何は無くとも,少なくともそこだけは押さえて欲しいというか,
温泉”大”浴場の必要条件?な訳ですよ.

最近のスーパ銭湯とかは,確かに楽しい.
手軽に週末家族で行くのは良好なレジャーです
でも,一番大きな浴槽でも体育座り状態で10人も入ったら,
もう窮屈感あふれるくらいの大きさでしかないですし,
風呂数が多いので,次はあの風呂,その次はこっちの風呂,と
次から次と移動して歩くことになる.
浴槽に浸かりながら,次はどの風呂にしようかと,
アキを狙ったりしながら考えてると,かえって疲れちゃったりするんですよね.
何しに風呂にいったか判らなくなってくる.
風呂に入ったときぐらい,のんびり,ぼ~っと,思考を停止したいとは思うんですが.
まぁ多分に私のせっかちな性格も関与してるわけですけど.

”ユラックス熱海”なんですが
オープンは平成元年.だからかれこれ20年近く経つわけですか.
えっ,もう平成に入って間もなく20年?
げげっ,平成生まれが成人むかえるのかい・・・トシとるワケですねぇ.
さて,そんなわけでユラックスは,近頃に比べると風呂の種類はホントにシンプル.
勿論,出来た頃には,これも相当画期的だったのだろうと思いつつ・・・
”萩の湯”というほうの浴場(もう一つ”岩の湯”というのもある)についていうと,
大きな浴槽と中くらいの浴槽の2つ.で,その中くらいの方に気泡と寝湯と
あとは昔ながらの壁から吹き出すジェットバスが数本.
風呂の種類としては他には打たせ湯と水風呂くらいです.
昨今のスーパ銭湯を見慣れた目には,随分寂しく感じるのではないか.
なんだ,つまらんと感じるのではないか.
でも,もう一度思い出してください.大浴場の魅力.


私がこのユラックス熱海を気に入っているのは,
とにかく,大浴場の空間の使い方の贅沢さ.余裕.
面積で言ったら,もしかしたら昨今のスーパ銭湯なんかと
実は変わらないのかもしれないのですが,
余計な風呂の種類がない分だけ,浴槽がだだっ広く贅沢に切ってある.
それも見事に優美な曲線で縁取られた浴槽.
最近の大浴場ってみんな直線で構成されてるでしょ?
空間の高度利用とか言って,少しでも無駄なスペースを削り取るように仕切られてる.
あれって,無意識の圧迫感だと思うんですよね~
自分ん家が,まず狭いスペースを,やたらと部屋に区切られたつくりとなっているのが
ごく当たり前な現代に,なにも,銭湯の大浴場まで細かく区切らなくてもねぇ
その点,ここの浴室にはあちらこちらに無駄な空間があって
それが或る意味で心の開放感を引き出している.
だから浴槽に思いっきり体を伸ばして浸かっていても,
その目線の先には,まだまだ広い湯面が続いてゆく.
この心地よさ.これこそ家の風呂では絶対に味わえない開放感.


ユラックス熱海は,何もかもがたっぷりしていて,
ゆったり余裕がある運営で,建物全体もえらくだだっ広い設計
巨大アリーナとかプールとかコンベンションホールとか,いろいろ併設されておる
いや,三セク運営なんで,正直そういうハコ物については,
一概にでかいのが良いとは云えないというか,
そんなもん税金のムダだろうという面も否定できんので
あまり深いことは言いませんが,
こと,”浴場施設”に関しては,やっぱり民間だろうと公営だろうと何だろうと
とにかく作る以上は出来るだけ広々とのびのびと作って欲しい.というのが私の願い.
それは無駄遣いじゃない.
少なくともそれが温泉大浴場の本質だと思う以上は.

もしかすると,この当時.
今から丁度20~30年くらい前に作られた温泉施設というのが
一番本質的で,心に贅沢な造りなのではないかと思い始めています.
三沢の古牧温泉の大浴場とか,小名浜のハワイアンとか,酒田の湯遊館とか
無駄な広さ,意味のない空間の多さが持っているワクワク感,楽しさ,癒し
そういう非日常性が欲しくて,広いお風呂にわざわざ入りに行くんですよね.
そっか.スーパ銭湯はすでに非日常の空間では無くなっているのか.


ユラックス熱海は湯上がりの休憩スペースもあちらこちらとゆったりしているし
サウナも昨今珍しく”きりっ”と硬派にアツい.
当然TVなんぞ無し.そもそもあれが,昨今のサウナをぬるくした元凶だろう.
シャワーのお湯は時間式だが,一度押すと当分止まらないし,
大浴槽にはオブジェのような滝から,怒濤のように温泉が次から次となだれ込んでくる.
そういえば最近,大浴場で湯滝の音って聞かないね.
こんなに癒し系の,気持ちが良い音だというのに.
どこも,何かちっちゃな吐き出し口からちょろちょろと注がれるばっかりでさ.

浴場は全面丸タイル張り.これも一見安っぽそうに見えて,
良くよく考えると,めちゃめちゃ手間のかかったつくりですよね.
曲線の形にコンクリート打って,その上に貼っていく訳でしょ?全部手作りじゃん.
手作りということはカネがかかっているということ.それにはそうする理由があるから価値がある.
2次製品の浴槽を持ってきて,単にパタパタとはめ込んでいくのとはワケが違う.
まぁ色んな意味で贅沢な時代だったんですよね.

浴室が2種類あって,週によって男女交替になるのですが
何故かこれだけの回数行ってるのに私は”萩の湯”という浴室しか入ったことがない^^
だから岩風呂の方は判りませんが,タイル貼りの露天風呂について語らせてください.
全く奇をてらわない,シンプルイズベストの丸いタイル張り露天風呂.
だからこそ,癒しがある.
露天風呂の前はゆとりのあるスペースとベンチと庭木があって,
その向こうはというと森.本物の森.借景ですね.
だから夏場だと蝉の声.小鳥が森から飛んできて,また飛んでゆく.
トンボが2匹飛んできて,並んで庭木のてっぺんに止まり,じ~っと森の方を眺めている.
自分たちが成虫になった森を眺め,やがて秋には土に帰って行く彼らは,そこに何を思うのか.
見上げれば,広い青空.白い雲がゆ~っくりと流れてゆく.
私も,タイル張りの柔らかな感触が心地よい”ぬる燗”な露天風呂にゆっくり浸かり
ぼ~っと雲を飽きるともなく眺めている.
徐々に夕暮れ.空は青からオレンジ色,そして青紫へ.
時間の経つのを忘れてしまうのは,思考が停止している証拠.
そうして一刻の非日常を漂い,心をリセットしたのち,再び私は戦場へと戻る.


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