天繁の”かき揚げ天ぷら定食”

今日は名掛丁の”天繁”で”かき揚げ天ぷら定食”を頂きました．
駅前には結構和食系の店があるので，天ぷらを出す店も多々あります．
天繁も勿論充分なレベルの天ぷらを出してくれますが，
正直なところ，天ぷら全般ということならば，天繁以外でも美味い店があったりもします．
しかし，まぁかき揚げに限って言えば，やはりここ．天繁になるのではないかと思っております．

運ばれてくるかき揚げは，目視でほぼ直径２０ｃｍ程はあろうかという大きさ．
厚さも裕に５ｃｍは越えているでしょう．
センターからシンメトリックに二分されて運ばれてきますので，
中まで充分に熱が通っているのが判ります．
いやぁ技術ですねぇ～，さすがプロ．とても真似出来ません（あたりまえだ）

断っておきますと，決して量が多いから
天繁のかき揚げが一番だと言っているわけでは無いんですよ．
ただ，その大きさにはメリットがあります．あくまで天繁の様に上手に揚げた場合ですが．
決して量を多くするためだけに，大きくしているわけではないはず．
表面はさくっとかりっと．中の方はほくほくとした食感．
これは食べていただくと判るんですが，大きいかき揚げだから味わえる食感がある．

昔バブルの頃ですが，でっかい肉のかたまりを焙って，
その中心の部分だけを取り出して食べるという，何とも贅沢な料理法がありました．
状態はレアかオーブルーですが，しっかり熱は入っている．
それは無駄な贅沢といえば，確かにそういう面もありますが，料理としては合理性がある．
でかい肉のままで焙るから，そういう中心への火の入れ方が出来るのであって
予め中心部分だけを取り出して火を入れるには，どうやっても同じ入れ方はできないわけです．

天繁のかき揚げの場合は，外から中まで全部食べます（当然ですが＾＾；）
そこで普通のかき揚げとは異なる，食感のバリエーションが楽しめる訳ですね．
中央部はどちらかというとかき揚げというよりも蒸した感じに近くて，
天だねとして加えられた椎茸の良い香りがふわ～っと漂ってきます．
こんなにでっかいのに，あれよあれよと無くなってしまいます．
天種の原価を考えると，天ぷら定食の方が高くなるのは仕方が無いんでしょうけれども，
技術料と味ということを考えると，このかき揚げ定食の７２０円は，
こんなに安くて良いの？という感じ．とてもお得だと思います．

ただ，ご想像のとおり注文を受けてからじっくりと揚げるわけですから，多少待時間を要します．
天繁は日替わり（これもとても献立のバランスが良く，かつ美味しい）は出てくるのが早いので，
周りのお客さんが次々と食べ始める中，じ～っと待つことになるのですが，その価値はあり．
まぁとりあえずカウンタならば，目の前の水槽のアジさんとぼんやりお見合いでもしていましょう．